申請しないともらえない、“特別障害者手当”という制度
―知らない人が、知る人になるために―
介護の現場から生まれる、静かな「不安」
介護の中で、ふと考えたことはありませんか。
「毎月の施設費、思ったより負担が大きいな……」
「お母さんの介護にかかるお金、どこまで支援してもらえるんだろう?」
そんな時、市役所の窓口に行っても「それは別の課ですね」と言われ、手続きの複雑さに、ため息をついたことがあるかもしれません。
けれど実は、「申請しないともらえない」支援が、まだあるのです。
私も最初は、まったく知りませんでした
私自身、母が認知症を発症した当初は、「介護保険」と「医療費の助成」だけが支えだと思っていました。
でもある日、手帳の申請書類を眺めていて、ふと小さく書かれていた一文が目に入りました。
「特別障害者手当(常時介護を必要とする重度障害者が対象)」
見慣れないその言葉を調べていくうちに、これは 自宅や施設で介護を受けている重度の方を支援する“国の制度” だと知りました。
けれど、市の窓口でも病院でも、誰も最初に教えてはくれなかったのです。
この制度は、どんな人のためのもの?
「特別障害者手当」は、心身に重い障害があり、日常生活のすべてに介護が必要な方へ支給される国の手当です。
- 対象:20歳以上で常時介護を要する人
- 支給額:月27,980円(令和6年度)
- 支給時期:年4回(2月・5月・8月・11月)
- 手続き:住民票のある市役所の障がい福祉課に申請
申請するときは医師の診断書が必要ですが、「障害者手帳」を持っていなくても、診断書で認定される場合があります。
ただし、自動では支給されません。 どれだけ重い障害があっても、「申請しなければもらえない」――それがこの制度の最大の特徴なのです。
“制度の名前”を知らない人にも届いてほしい
私が最初にこの制度を知ったのは、偶然の検索からでした。
でも、調べるための言葉(キーワード)を知らない人には、そもそもたどり着くことさえできません。
行政サイトには「対象者」「支給要件」「所得制限」と書かれていても、生活の中で困っている人にとって、それは“どんな状況のことなのか”が分からない。
だからこそ、私はこう伝えたいのです。
「制度の名前を知らなくても、相談していいんです。」
あなたが今、「お世話が大変で、介護の手が離せない」状態なら、それだけで一度、福祉課や地域包括支援センターに相談する価値があります。
今日できる小さな一歩
- 「常時介護が必要な人への手当があると聞いた」と伝えてみてください。
- 申請の可否は、窓口で必ず丁寧に教えてくれます。
- 施設入所中でも“在宅扱い”になるケースがあります。あきらめずに確認を。
知らなかった制度に出会うことが、家族の生活を少しだけ軽くしてくれることがあります。
最後に:知らない人が、知る人になるために
私は、母の介護を通して学びました。
「制度は、調べた人だけが救われる」ようになってはいけない。
でも、検索の仕方を知らない人、言葉を知らない人は、確かにいます。
だからこそ、私たちのような介護家族が“橋渡し”の役割を担う必要があるのだと思います。
このブログでは、そんな「知らない人が、知る人になる瞬間」を一つひとつ、形にして残していきたい。
制度の話だけでなく、「どうやって知ったか」「どんな気持ちだったか」も含めて。
それが、これから介護に向き合う誰かの「灯(あかり)」になりますように。
※私は制度の専門家ではありません。ここでお伝えした内容は、家族介護の経験と調査に基づく情報です。実際に手続きされる際は、必ずお住まいの自治体や厚生労働省の公式情報をご確認ください。
🕊️ 参考リンク
- 厚生労働省:特別障害者手当について
- 各市町村の「障がい福祉課」または「福祉総合相談窓口」

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